日本円に消費期限はあるのか
お金の3つ働き
お金(マネー)には、価値保存機能と交換機能、価値尺度機能の3つの働きがある。
この3つの働きをそれぞれ説明すると以下のようになる。
価値保存機能・・・お金は、今日の価値を将来に持ち越す手段になる
交換機能・・・お金は財やサービスと交換するための共通手段
価値尺度の機能・・・お金は価値を計る「ものさし」として使える。
この3つの働きがあるからこそ、人々は日本円を貯めるし、日本円を介在して商品を交換するし、100円均一など商品の価値を尺度として表示することができるのだ。
お金の価値の棄損
しかしである。
近年は大インフレ時代だ。
牛丼は並盛500円だし、100円均一では100円ではもはや多くの商品が買えない。自動販売機はドリンクが200円弱する。
日本円に介在していた価値尺度の機能が機能不全になっており、それに伴い価値保存機能も棄損されている。
それはインフレ率の推移からも見て取れる。
2022年の日本のインフレ率は+2.50 %、2023年は+3.27 %、2024年は+2.74 %だ。
2022年を基準に考えると、2024年までの2年間で物価はおよそ6.1%上昇したことになる。
つまり、2022年に100円だったものが、2024年平均では約106円になっている計算だ。
そして、今後もこのインフレ傾向は続いていくだろう。
銀行預金をしていただけでは、緩やかに価値が目減りしていくのだ。
日本円に消費期限はあるのか
年間インフレ率3%が今後続いていくと仮定したとき、今ある100万円の価値が10%棄損されるのは何年後だろうか。
答えは約3.5年後である。
約3.5年後には100万円は90万円くらいの価値しかなくなっているのだ。
日本円に消費期限はあるのかという問いをこのブログでは立てたが、その答えを言うなれば私は4年だと答えたい。
4年以上使う予定がないお金は、何か違う物と交換した方がいいだろう。
日本円の交換先は色々ある。
農地などの不動産、家族や職場、仲間などの社会関係資本、株、債権、ドルなどの外貨建て資産、金や銀などのコモディティ。
私のおすすめは、価値の保存という一点においては金と銀である。
下の表は金1gの価格の推移だが、金はインフレに強い資産である。それは銀と同様だ。

日本円は金や銀より流動性が高く、価値保存機能と交換機能も全盛期ほどでないにしてもまだ使い道がある。
4年以内に使う予定がある日本円は手元におき、それ以外の日本円は日本円より価値の保存機能が高い金や銀に換える。
この戦略を取ると私はじめ庶民は良いはずだ。
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