残クレという恐ろしい仕組み
先日、懇意にしている女性とカーディーラーへ行ったときの話である。
ハリアーを買おうとしている女性に対し、担当のディーラーは残クレという方法での購入を提案した。
私と残クレとの初めての出会いだった。
残価設定型クレジット、略して残クレ。
残クレは車両価格の30%~50%ほどを下取り時の買取保証額「残価」として設定し、残価を除いた50%~70%程度の金額を返済する支払い方法である。
ローンの最終回まで残価は据え置かれ、最終回の支払い後、以下の3つの選択肢を選ばされる。
①車をそのまま返却する
②車を下取りに出して新たな車に乗り換える
③残価を支払い、車を買い取る
私はこの話を聞いて、「これ、自分の資産にならないやん!!」と思い驚愕した。
何のために高いローンを払うのか
残クレと通常のカーローンの違いは、車が自分の資産になるかならないかというところにある。
もちろん先ほどの選択肢③の買い取りを選んだ場合、車は自分のものになるが、①と②を選択した場合、車は自分のものにはならない。
隣に座っていた女性はハリアーが乗れるとうきうきだったが、私は残クレというこの搾取構造に半ば顔面蒼白になっていた。
月々のローンの返済額、3~4万円。
それを5年払い続け、最終的に自分のものにならなかったら、5年間払ったお金は一体何のためのものだったのか。私は分からなくなる。
借金を払うなら、お金が入ってくる商いの運用のための資本として使いたいものである。
残クレはお金を持っていない人の抑制効果としての側面を持っている
改めて残クレを考えると、これはお金を持っていない人の溜飲を下げる側面があることに気づいた。
ハリアー、レクサス、ランドクルーザー。
カーローンではとてもじゃないが手が届かない車が、自分の資産にならないにしても、一定期間乗れる。
これは一つのメリットと言える。
「何であいつがレクサス乗れて、俺は乗れないんだ!」
お金を持っていない人のそういった不満を緩和するため、「大丈夫、この方法ならあなたもレクサス乗れるよ」と落ち着かせるのがこの残クレなのではないだろう。
お金を持っていない人の抑制効果としての側面を残クレは持っているのかもしれない。
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