今回の東京の旅にて
高齢化する東京
2024年8月、4年ぶりに東京に行った。
コロナが明けてからずっと行きたかった東京。
大学時代ずっと過ごしていた街だけあり、他の土地より思い入れも強い。
しかし今回4年ぶりに降り立って思ったことは、前よりキラキラ感が薄れたなということだった。
私が大学に進学した2014年ごろは、街全体がもっと若く、活気があったように記憶している。
今回の旅で、地下鉄の急な階段を時間かけて下りていく高齢者の方や、電車に乗る乗客が若者に比べ壮年~高齢者の方が多い場面を見るにつれ、街自体が老いてきているなと感じた。
2024年9月のニュースでは、東京都の高齢化率は過去最高の23.5%になったと報じている。
NHK首都圏 NEWS WEB「東京都内の高齢化率 23.5% 過去最高に」
東京都が発表する人口割合の区分では、今後も高齢化率は右肩上がりだ。
東京都「東京都男女年齢(5歳階級)別人口の予測」より抜粋
地方でこれまで起きていた高齢化問題。
この高齢化問題が、いよいよ東京にやってくる。
地方を飲み込んだその波は、人口が多い分地方の比でないくらい大きな波として東京にやってくるはずだ。
大人になれないピータパン
「俺らはいつまでも大人になれないピータパンみたいなもんだから」
飲み屋で大学の友人が言ったこの一言は、大人になれない東京という街の特性を如実に物語っていた。
東京という街の特性。
それは結婚しない(orできない)、そして子どもが作らない(or作れない)である。
東京は47都道府県で未婚率、合計特殊出生率ともに全国ワーストの街である。
下の図は令和2年国勢調査の25~39歳の未婚割合。東京は48%以上と非常に若くなっている。
出生率は全国でワースト。47都道府県で唯一、出生率が1を切っている。
大人になる契機を失った街。
誰かを庇護するなど責任のある立場にならず、中身が子どものまま肉体は衰える街。それが東京なのだ。
東京について悪く書いたが、これはポジティブに捉えると自由だともいえる。
家を継ぎ、結婚した立場にある私からすると、その自由が羨ましく感じるときもある。
しかしである。
いつまでも子どものままでいるの飽きないだろうか?
私の場合、30歳を前にして、自分が主役の人生を生きるのに飽きてきている自分がいるのだ。
自分の肉体の老いが始まっているからかもしれない。
これ以上、自分の肉体に伸びしろがないため、子どもを作り、次世代の種まきをしたい。自由を渇望するより、そういう気持ちの方が強いのだ。
立場が変わると、人は変わる。
私もまた年齢と立場が変わったため、東京に対する見方が大学時代と変わった。
自由を求めていた若い時期が過ぎ、年を重ねた結果、街全体の高齢化やいつまでも大人になれないこどおじ・こどおばの匂いが強くなった東京に魅力を感じなくなったのかもしれない。
コメントを残す