正月のスーパーはビジネスモデルの種が落ちている
年の瀬に、実家の山に行ったときの話である。
うちの敷地内に軽トラックを止め、松の枝を切っているおじいさんがいた。
もちろん、うちの山に生えている松である。
私はおじいさんが何のために松の枝を切っているのか、当時分からなかった。
「こんにちは」と声をかけると、おじいさんはバツが悪そうな顔をし、車に乗って去っていった。
おじいさんが何のために松の枝を切っていたのか。それはその日の夕方スーパーに行ったときに明らかになった。
なんと、松がスーパーに売られているではないか!
松が金になると初めて知った時だった。
正月のスーパーは普段とは異なる珍しいものが売られている。松もその一つだ。
松は、常緑樹で1年中青いため「永遠の命」の象徴だ。
また、松の中には樹齢数千年というものもあり、不老長寿と結びつけられるため、縁起が良いとされている。
そんな松は、門松や正月花で使われるため、12月に需要がある。
正月に松を出すと金になるのだ。
そういうことを知ると、うちの松を切ったおじいさんが泥棒に見え、無性に腹立たしい気持ちになった。
ただおじいさんがいなければ、松でお金を稼ぐという方法を思いつかったのも事実であり、そういう意味では私の商売の先生でもある。
まだまだある!正月の面白商品たち!
正月のスーパーはビジネスモデルの種の宝庫である。
この章では、どんな商品を正月に出せば売れるのか紹介しよう。
まずは裏白(ウラジロ)だ。
裏白はシダ科の植物で、左右に2枚の葉が広がることから「夫婦円満」を、さらに葉の裏が白いことから「清らかな心」を表している。
山に生えている植物だが、これらも2枚入り100円くらいで売れる商品だ。
ユズリハも4枚入り180円くらいで販売されている。
ユズリハは、新しい葉が伸びた後、古い葉が黄色くなり落葉する様子が次の世代へ「譲る」ことを連想させるため、「親から子への世代交代」の祈願が込められている。
南天(ナンテン)も、「難を転ずる」の語呂から古くから縁起物のいいものとされている。
現代でも、縁起物や厄除けとして、お正月飾りとして使われたり、松や竹とともにお正月の花として玄関や床の間に飾られ、需要がある。
最後に葉牡丹だ。
12月~1月にかけては花が作りにくい時期である。そんな時期に華やかな葉牡丹は、門松や生け花の飾りとして需要がある。
こういった商品も出せば、お金に変わるのだ。
「何でも銭になる」
これは祖母の口癖だが、まさにその通りだと感じる最近だ。
今年学んだ知見を来年の商売に繋げたい。
コメントを残す